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2024年11月29日 (金)

家畜制度全廃論序説

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今日は『家畜制度 全廃論 序説』(太田龍著)という本を紹介します。

著者は陰謀論界隈では有名な方。陰謀論者は菜食者が多いですね。

元々は1985年に出版された本ですが、今年(2024年)5月に新装復刻版が出ました。

この本では、人類が他の動植物との「すみわけ」を認めず、地球を独り占めして、他の動植物を排除しようとした結果、現在のような不幸と悲惨、地獄が作り出されたと説明しています。

家畜化は魚、虫、微生物へと

大気、水、みどり、土地。この四つの面で、いま私たち人類の「文明」は百年かそこらの間に地球の生命の土台そのものを絶滅させるように動いています。

地球生命に対する人類の罪。これは余りにもあきらかです。そしてこれはまた未来の人類の子孫に対する罪でもあります。このような地球への罪に対して、私たち人類全体が総懺悔することが求められていると、私は思います。

かつて、明治、大正の時代に、西田天香さんは、在家仏教を実践して、「懺悔の生活」ということを提唱されました。

いま私たちは、天香さんの境地を一歩深めて、「地球生命体への人類の総懺悔の生活」(これを私たちはエコロジー運動、万類共尊の地球をめざす運動と名付けています)を実践しなければ、二十一世紀は人類が地球生命を道連れにした破滅の最終局面となってゆくでしょう。

私は、この地球への懺悔の生活の第一歩は、肉食全廃、家畜制度の廃止、動物の解放、だと思います。

動物。これは海中、水中の動物と、陸上の動物とに分けられます。陸上の動物は、昆虫、鳥、爬虫類、哺乳動物です。そして、私たち人間は、哺乳動物の仲間の一員としてこのように生まれながら、一万年来、この仲間たちに徹底的な絶滅戦争をしかけて来ました。

その結果、いまでは、家畜化された幾種類かの仲間をのぞく野生の哺乳動物たちは、すでに絶滅されてしまったか、あるいは間もなく絶滅させられる状況に追い込まれています。いずれの種も、生息地を破壊され、個体数が極度に減少しています。

人類の地球破壊の原点は、この哺乳動物のファミリーに対する暴力的支配にあると言えるでしょう。

哺乳動物界で、人類の個体数はいま、とび抜けて大きな数(四十八億)となりました。家畜(イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、羊など)をすべて合計しても、人口の数にはおよびません。

ネズミは厳密には家畜ではありませんが、人間に寄生していて、人口数に匹敵するぐらいの数があります。その他の哺乳動物の個体数は加速度的に減っています。これらすべてを合わせて、一億もいるでしょうか。

こうして、野生の哺乳動物の絶滅は間近いこととなっています。そうしておいて、人類は「野生動物の保護」などと言い出すのです。これは動物園化を意味しています。

野鳥もまた狙われています。人間の家畜となるにわとり、七面鳥などをのぞく、すべての野鳥が哺乳動物の仲間と同じ運命をたどろうとしているのです。

そして次には魚です。1970年代に、人間の漁獲量は魚の自然の繁殖量を超過しました。

それで、人間は魚の家畜化を本格的に推進し始めました。野生の魚の滅亡と、まさに家畜である養殖魚の時代にまっしぐらに進んでいます。

最後に虫と微生物がのこりました。

人類は虫を益虫と害虫に区別し、害虫を皆殺しにしようとして、殺虫剤をつくり出しました。微生物については、遺伝子工学を使うことによって、同じ結果を生み出そうとしています。

人類の動物支配は、いま、ようやく完成の域に達しようとしています。

人が幸福に暮らすためには他の動植物は犠牲になっても構わないという世界では、最終的には人も不幸になってしまいます。

肉体的、精神的に苦しんでいる人が年々増えているのは、この傲慢な制度と関係があるのではないでしょうか。

この本が出版された1985年はバブル経済直前の上向きの明るい時代で、こんな地味な書籍を手に取る人はごく限られた人たちだけだったはずです。

でも、今、この不穏な時代なら、読んでみようと思う人も以前よりは多いかもしれませんね。

肉食の問題に気づく人が増えますように✨

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