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2024年10月18日 (金)

胆嚢・胆汁・胆石

脂肪分を多く摂取した直後に右肋骨の下部に痛みを感じる場合、胆石ができているかもしれません。

痛みがひどい場合には胆嚢摘出を勧められるようですが、摘出してしまうと、慢性的な下痢、甲状腺機能低下、体重増加、エネルギー不足、膵臓がん、大腸がん、心臓発作、骨折といった問題が出てくるそうなので、この手術は最後の最後の手段として、その前にできるだけ自然な形で問題を解決したほうが良さそうです。

今日は、マーカスさんの2つの動画"The Gallbladder gallstones HRT Thyroid Bloating connection- BILE affects everything!" と"Why You Need a Gall Bladder"をベースにして、胆嚢、胆汁、胆石についてまとめていきたいと思います。

まずは、体内の位置関係からおさらいしてみましょう。

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胆嚢は肝臓の下にある小さな器官で、肝臓が作る胆汁という「魔法の物質」を蓄えているところです。

胆汁の流れは、肝臓 => 肝管(右肝管、左肝管、総肝管)=> 胆嚢管 => 胆嚢 の経路で入ってきて、放出時は、胆嚢 => 胆嚢管 => 総胆管 => 十二指腸 となります。

胆汁は、

- 脂肪の分解(乳化)

- 殺菌

- 胃酸の中和

- 肝臓の老廃物の運搬

- 潤滑剤

- 脂溶性ビタミン(A、D、E、K)の吸収促進

- 甲状腺ホルモンのT4(不活性型)からT3(活性型)への変換促進

を行っています。

脂肪や油を含むものを食べると、胆嚢が胆汁を少々放出して、その食べ物と混ぜて、脂肪の分解を促進します(乳化)。マーカスさんは「食器用洗剤のようなもの」と言っていました。

きちんと脂肪が分解されないと、オメガ3脂肪酸(炎症抑制、心臓の健康に良い)が吸収できなくなるため、心臓発作が起きやすくなります。

そして、食器用洗剤と同様、胆汁には殺菌作用があり、この殺菌が行われないと、小腸で細菌が増えすぎて、SIBO(小腸内細菌異常増殖)と呼ばれる状態になってしまうらしいです。

また、胆汁はアルカリ性なので、胃酸を中和して、腸が焼けただれるのも防いでます。この胃酸の中和では、胆嚢は膵臓と「相棒」というかレスリングで言うところの「タッグチーム」みたいな関係らしい。胆嚢が胆汁を出して胃酸と混ぜ、そこに膵臓が重炭酸ナトリウムを加えるという共同作業が行われています。

さらに、胆汁には、解毒器官である肝臓から出される老廃物も含まれています。体に有害なものは必ず肝臓に入るので、胆汁が十分にないと、老廃物を出すことができず、肝臓が浄化されません。

胆汁が混ざった食べ物(内容物)は小腸に運ばれ、小腸を殺菌しながら、進んでいきますが、胆汁は潤滑剤の役割も果たしていて、内容物がスムーズに消化器官内を通れるようにしています。

そして、回腸に達すると、胆汁酸塩の95%が再吸収され、門脈経由で肝臓に戻され、肝臓はこれを再利用して胆汁を生成します。胆汁はリサイクルされているんですね。

胆汁が十分にないと、ビタミンA、D、E、Kなどの脂溶性ビタミンが吸収できません。たとえば、

ビタミンA不足:視力の低下

ビタミンD不足:炎症、骨粗鬆症

ビタミンE不足:しわ、皮膚疾患、筋力低下

ビタミンK不足:出血しやすくなる

甲状腺ホルモンとして働けるのはT3なので、胆汁不足でT4がT3に変換されないと、甲状腺機能が低下し、あらゆる身体機能が衰え、徐々に動かなくなっていき、体重の増加、エネルギーの低下、髪のパサつき等、さまざまな症状が現れるようになります。

なぜ胆石ができるのか?

胆汁はコレステロールを溶かすことができますが、溶かせる量には限りがあるので、胆汁がコレステロールで過飽和状態になると、余分なコレステロールが沈殿して、胆石になります。

胆石は何年もかけて大きくなっていくものであり、一晩でできるようなものではありません。

なので、オリーブオイルとエプソムソルト(硫酸マグネシウム)と柑橘果汁(レモンやグレープフルーツ)を使ったレバー・フラッシュ(肝臓洗浄)で週に何度も大量の「胆石」が出るということはあり得ないそうです。

マーカスさんはレバー・フラッシュについて次のように言っています。

この「洗浄」では、ヘドロ状のものや非常に小さな石以外は排出できない。オリーブオイルにはコレステロールと結合するステロールが多く含まれている。洗浄後に便器に浮かんでいる小さな丸い塊を「胆石」と思っている人たちがいるが、あれはオリーブオイルのステロールと食物由来のコレステロール、または腸内で放出された胆汁酸塩が鹸化したもの。本物の胆石は沈む。浮かばない。もし大きな胆石が胆嚢の強い収縮によって排出されたとしたら、胆管を閉塞して、緊急手術が必要になる。

胆嚢は胆嚢管で総胆管につながっています。胆嚢管の直径は通常2mm~3mmで、10mm~15mmぐらいまでは広がるようですが、胆石は大きいものになると、ゴルフボール大(42.67mm以上)にもなるそう。これは通れないですね😓

胆石発作は胆汁が放出されたときに胆石が動いて、胆嚢の出口や胆管などに引っかかってしまったときの痛みです。

Gallstones_2

胆石が胆汁をせき止めてしまうと、白目や皮膚が黄色くなる、黄疸(おうだん)と呼ばれる症状が出ます。

総胆管と膵管の合流部あたりが粘度の高いドロドロの胆汁で詰まってしまうと、膵臓から出される消化酵素が逆流して、「膵臓を消化してしまう」こともあるらしいです。

胆石ができやすくなる状況とは?

- 食事や生活習慣の乱れ

- 高エストロゲン状態

- 胃酸を抑えるものの摂取

- メラトニン不足

- 低脂肪・無脂肪食

エストロゲンは、胆汁中のコレステロール値を上げ、胆汁酸塩の分泌を減らし、胆嚢の胆汁排出ペースが落ち、胆汁鬱滞を引き起こし、ドロドロになった胆汁が胆管の流れを悪くし、硬化して胆石ができるそうです。なので、ホルモン補充療法、バイオアイデンティカルホルモン、避妊薬、ペットボトル飲料、妊娠、インスリン抵抗性、過体重などでエストロゲン値が高くなると、胆石ができやすくなります。

また、胃酸が胆汁放出のトリガーになっているので、胃酸を抑える制酸剤(胃腸薬)やカルシウム剤、アルカリ水などを取っていると、胆石になる可能性があります。

メラトニンが少ないと、コレステロール値が高くなるため、これも胆石になりやすい状態です。

さらに、低脂肪・無脂肪の食事を続けていると、胆汁が放出されず、胆嚢内で濃縮され続けて、コレステロールと結合し、これまた胆石となってしまうそうです。

胆嚢を摘出してしまった場合はどうしたらいい?

肝臓は常に胆汁を作っていますが、濃度が薄い胆汁です。この薄い胆汁が胆嚢で濃縮・貯蔵され、脂肪分が入ってくると、胆嚢が収縮して、プシュッと少量の胆汁を出す、というのが本来の流れです。

しかし、胆嚢がない場合、食べ物が入ってきていないときでも肝臓で作られた胆汁が腸にどんどん流れ込むようになります。アルカリ性(苛性)の胆汁が単独でそのまま腸に行ってしまうと、腸壁は焼けるような刺激を受け、慢性的な下痢症状に見舞われることになります。

そして、この刺激を受け続けることで大腸がんのリスクも高まるらしいです。

なので、胆嚢がない人は、胆汁から腸壁を守るため、アロエベラの果肉(皮をむいたもの)を取ると良いと言っていました。

また、レシチン(脂肪の乳化剤)のサプリもお勧めだそうです。胆嚢がない場合、胆汁の濃縮ができず、濃度の薄い胆汁のままで、本来の働きができないため、レシチンで補ってあげると良いそうです。

胆嚢がある人にもレシチンは良いと言っており、マーカスさんは顆粒状のものをサラダに振りかけたりスムージーに混ぜ込んだりしているようです。

レシチンにはリン脂質が含まれており、脳機能の維持、アセチルコリンの合成、脳組織の形成、神経の周囲でのミエリンの形成、体脂肪の分解を促進し、肝臓にも良く、細胞を柔らかく、しなやかに保ちます。

あと、胆汁酸塩を取るのも良いそうです(ただし、バセドウ病のような甲状腺機能亢進症(甲状腺が過剰に活動している場合)は、胆汁酸塩は禁忌)。

胆石ができないようにするには?

上記の「胆石ができやすくなる状況」(妊娠以外)を回避する必要があります。

そして、質の良い胆汁を作ってもらえるよう、肝臓をいたわりましょう。

(関連記事:デトックスの鍵を握る臓器:肝臓(その1)(その2)(その3)

また、腸内細菌の中には胆汁の代謝を行うものもいるので、抗生物質や殺菌剤などは控えたほうがいいです(手指の消毒液も経皮吸収されて腸に行ってしまいます)。

苦みのあるグリーン(タンポポ、ルッコラ、エンダイブ、ラディキオ、アロエベラなど)、レモンやライム、ニンニクや玉ねぎの硫黄化合物は胆汁の生成を促進するそうです。

ビタミンCは、コレステロールを胆汁酸塩に変換するために必要なので、(合成のものではなく)植物由来のビタミンCを取りましょう。

長期にわたって極端に脂肪分を控えてしまうと、胆汁を放出する機会がなく、胆石ができやすくなってしまうので、サラダにオイルをかけたり、ナッツやシードを取ったり、油脂も適度に摂取しましょう。

マーカスさんは「高脂肪食」を勧めていて、高炭水化物・低脂肪の食事は危険といっています。

私は肝臓がまだ万全じゃないからか、甘い果物の摂取が多すぎるからか、高脂肪食は苦手です(うまく消化できない)。

自分にとっての脂肪分の適量を見極めるのが今後の課題かな。

最後に、Xで気になる投稿があったので、紹介します。投稿者は救急隊長をやっている方です。

胆嚢炎が2021年から急増して以前の6~8倍...😱

「2021年から」ということは例の注射が始まってからですね。

胆嚢炎は胆石症や細菌感染が原因です。

私の知り合いも3回目の接種後からひどい高血圧になり、その後胆石症になりました。胆嚢を摘出した後も胆石ができており、膵臓もダメージを受けているようなので、胆汁がドロドロになって、膵液が逆流しているのかもしれません。

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