平床寝台と『“桐”の超能力』
2017年に「木枕を買ってみた」という記事を書き、平床寝台もそろえようと思いつつも決断できず、かれこれ6年経過...😓
平床寝台というのは、西式健康法(甲田療法)で推奨されているもので、できるだけ硬い、厚さ10~20ミリ程度の平らな板にあおむけで寝るという健康法です。これによって体の歪みが取れ、皮膚や肝臓、腎臓の働きが高まるのだそうです。
私は長いことあおむけでは寝られなかったのですが、今ではずいぶん改善し、ここ最近は畳マットの上にシーツを敷いて寝ていました。
しかし、もっと硬い板の上で寝たくなり、今回とうとう平床寝台の購入に踏み切りました。
購入したのは、桐製の2つ折りタイプの平床寝台です。6年前に木枕を買ったお店で買いました。
このお店には、桐ではない平床寝台もあり、そちらのほうがお値段も安く、重さも1kgほど軽かったので、最初そちらの方に惹かれました。
桐は柔らかいので傷がつきやすく、取り扱いを間違うと反ったり割れたりすることもあるというし...。
悩みに悩んで、ネット検索したら、「桐の波長は人間と同じ」といった情報を発見❗
「波長」とか「波動」という言葉に弱い私は、いきなり「もう桐製にするしかない!」という気持ちになってしまいました😅
で、桐製の平床寝台を購入し、ここ2週間、裸で直に寝台の上に寝ています。
(私は一晩中木枕の上では眠れず、夜中には木枕を外してしまうので、髪染めに使っているヘナやインディゴで板に色が付いたり、横向きになったときによだれを垂らしたりするかもしれないので、首から上の部分には薄手のガーゼのバスタオルを敷いています。)
やはり波長が同じだからか、桐の板は肌になじみます。大変心地よく、毎晩この平床寝台の上で眠るのが楽しみになりました。
とても暖かいので、もしかしたら真冬でも裸で寝られるかもしれません。
桐製の平床寝台が非常に気に入って、桐のことをもっと知りたいと思うようになり、調べているうちに、『“桐”の超能力』(森崎勉著、1989年初版発行、文化創作出版)という本の存在を知りました。桐製品を扱っている人たちのバイブルのような本らしい。
もう絶版になってしまっているのですが、運良く、地元の図書館にあったので、早速借りてきました。
【著者のプロフィール】
森崎 勉(もりさき つとむ)
昭和6年 福岡県大川市に生まれる。祖父の代から三代にわたって木とかかわり、その全てを肌を通して知悉している。わけても“桐”への情熱と傾倒ぶりは他者の追随を許さない。又、「不足の原理」を貫く経営理念によって、次々と新発想による新製品を生み出し、今最も注目される企業家である。昭和37年創業。昭和44年森崎工芸株式会社を設立。(協)大川家具工業会副理事長ほか団体役職多数。
さすがバイブルと呼ばれるだけあって、桐についての情報が盛りだくさんな上に、著者の熱い思いが全編に溢れていて、読み手を飽きさせません。
また、私がもっている足ツボマッサージ関連の本『足の汚れ<沈殿物>が万病の原因だった』の著者、官 有謀(かん ゆうぼう)さんとも交流があって、何かご縁を感じました。
著者の森崎さんは家具職人として桐という木材に魅了され、桐の寝具(敷き布団)を作ろうと決意されます。
平床寝台のような板ではなく、桐を使いながらも何とかしてクッション性のある敷き布団を作ろうと、桐を細かいピースにしてそれをつなぎ合わせて編み目状のマットを開発されました。
このマットの詳細は本に譲るとして、今日の記事では、桐材のほうに注目したいと思います。
● 日本人と桐のかかわり方
収納家具としては箪笥(たんす)や長持ち(ながもち)、一般家具では机、長火鉢(ながひばち)、金庫の内箱。建材では天井板、柱、欄間(らんま)、建具では障子(しょうじ)やふすま、屏風(びょうぶ)の骨などに使われています。さらに、楽器では琴、琵琶(びわ)、太鼓(たいこ)の胴。細工物では能面、寄せ木細工。小箱としては書類箱、宝石箱、掛軸(かけじく)や刀剣箱。また、魚釣りの浮きや羽子板(はごいた)、ごはんを入れるおひつ、ゲタやハイヒールのかかと、カイロに用いる桐灰などがあります。ここで気付くのは、生活雑器から芸術品までそのどれもが見事に桐の特性を利用していることです。長い時間の中で世代ごとの発見や経験が次々と伝承され、世界でも珍しい独特の「桐の文化」が花開いたのでしょう。
箪笥などの収納家具や細工物では、桐が持つ防湿効果や温度調節機能を100%利用しています。大切な衣類や掛軸、刀剣などを守るための“わが家のミニ正倉院”の役目を果たしているわけです。天井板は桐の保温効果を生かしていますし、熱伝導率の低さのほかにも手触りのよさ、障子やふすまの骨、また、釣りの浮きや魚網の浮きはその軽さを利用しています。欄間や細工物はやわらかさと細工のしやすさ、楽器は桐の特性の一つである響きの良さが最大限に生かされているのです。現在では、それぞれの桐の特性について科学的な立証がなされていますが、弥生時代以来、経験だけで一つ一つ桐の秘密を解き明かしながら、暮らしの道具として大事に育んできた私たちの祖先は、優れた知恵者だったというほかはありません。
確かに日本人にとって桐は身近な木材で、防湿や温度調節といった特長は一般によく知られていると思います。
森崎さんは、こうした特長を科学的に実証しようと、専門家に助けを求め、興味深いデータを提供してくれています。
● 桐の遠赤外線放射効果
(前略)
... 私としましては、どうしても桐が持つ遠赤外線の数値を知っておきたいという気持ちがありました。なにしろ、遠赤外線を組み込んだ枕や寝具が商品としてすでに市場に登場していたからです。大川工業試験場の松山・主任研究員にご相談しました。
松山氏は「ウチの試験場には、遠赤外線の測定器具がないので、福岡県・北九州市にある県の試験場を紹介してあげましょう」とおっしゃってくれ、私たちは、さっそく松山氏の紹介状と桐敷ぶとんを持って、「北九州工業試験場」の門をくぐりました。
ここでも、桐の不思議さについて、驚くべき発見があったのです。このテストでは、桐、ナラ、ヒノキの木のほかに、セラミックを対象に実験を行いました。その結果は、別図の通りです。温度摂氏20度、湿度60%の環境下で、それぞれの素材を20度から40度に加熱して行った結果、人間の体温に等しい36度付近で、桐は1平方メートル当たり350ワットを記録しました。セラミックとナラが310ワット、ヒノキ260ワットと比べますと、桐が並はずれて遠赤外線を放射していることがわかります。
北九州工業試験場ではこのほかに、桐、セラミック・ポリエステル、ポリエステルの3種の寝具についても、実験を重ねました。
普通、遠赤外線を測定する場合、もう一つの方法として、炭素で作った「黒体炉」の放射量を標準基準にするそうです。ところがどうでしょう。黒体炉の数値を100とした場合、ポリエステルが55%、セラミック・ポリエステルは65%なのに対して、桐はなんと94%という高い数値を示したではありませんか。言い替えれば、炭素で作った標準値の黒体炉と匹敵するくらいの放射量だったのです。
驚きは、単にこれだけではありません。人体の皮膚表面と同じ温度、摂氏35度の状態のときに放射する遠赤外線の波長は、9.4ミクロンなのですが、まるでそれと符丁(ふちょう)を合わせるように、桐も同じ9.4ミクロンという事実もわかりました。いったい、何という因果関係なのでしょうか。
もしかしたら、人間と桐は、地球の「生命誕生」という壮大なドラマの中で、偶然にも同じ遺伝子を持って生まれついたのかもしれません。
仮に遠赤外線がその放射熱によって体の芯まで温め、しかも防湿効果、防臭効果があり、さらに血液の循環をよくするような機能を備えているとすれば、桐自身の特性とともに優れた相乗効果を発揮するのではないでしょうか。
私がネット検索で見つけた「桐と人の波長が同じ」説はここから来ているようです。
私は森崎さんの桐敷ぶとんを試したことはなく、桐の板の上に寝ているだけですが、今まで使った寝具や畳マットの寝心地とは別物の心地よさが確かにあります。
また、森崎さんは、遠赤外線放射効果に加え、桐がマイナスイオンを出しているという仮説も立てています。病院で行われた桐の敷ぶとんを使った臨床実験で、褥瘡(床ずれ)の治癒率が非常に高かったため、防湿・保温効果以外の特性が桐にはあるのではないかと。自ら実験を行い、その仮説の裏付けとなる結果を出されています。
遠赤外線にマイナスイオン。ますます桐製平床寝台で眠るのが楽しみになってきました。
◇ ◇ ◇
恥ずかしながら、私はいい年して、生きている桐の木というのを見たことがありません。花札や500円玉、家紋など、図案化されたものは知っていても、本物は見たことがないのです...💦
YouTubeで検索したら、素敵な動画があったので、ここに貼り付けさせてもらいます。
YouTube: 植物紹介No.132【桐・Paulowniatomentosa】高級感のわけ/桐の紋章/桐タンス
桐の花、ゴージャスですね。欧米では、桐は木材というより、一種の鑑賞木として扱われていると『“桐”の超能力』に書いてあり、「?」と思っていたのですが、この動画を見ると、観賞用になるのも頷けます。
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