約束のネバーランド
【あらすじ】
孤児院で暮らすエマ、ノーマン、レイの3人はその施設で最年長の11歳。学力優秀で面倒見が良いので年少者からも慕われている。
この孤児院ではどの子も12歳までに里親のもとに送り出されることになっているが、孤児院を離れた子たちからはなぜか連絡が来ない。新しい生活が楽しくて孤児院のことを思い出す暇がないのだろう。みんなそう思っていた。
そんなある日、エマとノーマンはふとした偶然から、この施設が孤児院ではなく、鬼たちの食肉となる子どもを飼育する「農園」であることを知る。
この日を境にエマたち食用児は、食べられないためにどうすれば良いかをひたすら考え、農園から脱走し、最終的には鬼が支配する世界からの脱出を目指す。
かなりグロテスクな描写が随所に出てくるものの、主人公の少女(エマ)の真っ直ぐな思いとそれに支えられた精神的・肉体的強さが生き生きと描かれ、彼女のエネルギーで周囲もどんどん前向きな方向に感化されていき、単なるホラーではなく、希望の見いだせるストーリー展開になっています。
鬼は元々人間を狩って食べていましたが、狩られまいとする人間と鬼との戦いが続き、双方にかなりの犠牲者が出ていたため、戦いに疲れた人間と鬼は約束を交わし、世界を鬼界と人間界の2つに分けることにしました。そして、鬼は人間界の人間に手出しをしない代わりに、自らの食用となる人間の養殖を始めることにしたのです。
エマたちのいた施設は「高級農園」で王族・貴族の食用に供される食用児が飼育されています。品質を高めるため、愛情深い飼育者(人間)の下、美味しいエサ、清潔な環境が用意され、広い敷地内で自由に動きまわれるようになっています。農園の食用児は原則として12歳までに出荷されることになっていますが、優秀な女子は繁殖用個体兼飼育者として生き残る道が与えられます。
高級農園に加え、庶民向けの「量産農園」というのもあります。安価な肉を大量に生産するため、劣悪な環境に食用児をぎっしり詰め込んで飼育しており、量産農園の食用児たちは言葉を話せず、名前も意思もなく、動くこともままならない状態です。
また、「実験農園」なるものも存在し、そこでは品種改良のための実験が繰り返され、食用児たちは薬の副作用に苦しめられています。
つまり、約ネバの世界では、現実世界で人間が畜産動物に対してやっていることを、鬼が人間に対してやっているわけです。
約ネバの食用児たちに同情する読者は大勢いるでしょうが、現実世界の畜産動物に同情する人はほとんどいないでしょう。
なぜか?
人間は動物を食べなければ健康に生きることができないので、食用動物が犠牲になるのは仕方がないと思っているからだと思います。
約ネバの中でも、人間が動物を食べなければ生きていけないのと同様に、鬼も人間を食べなければ生きていけないのだから、仕方がないことであり、責められない、みたいなことをエマが言っています(鬼は人間の肉を食べなければ、人のような高い知能や姿形を維持できず、獣に退化してしまうという設定になっています)。
でも、実際は、人間を食べなくても退化しない方法がありました。支配者層はその方法を使って自らは退化しない体を手に入れながらも高級人肉に舌鼓を打つという暮らしを続ける一方、庶民には退化しない方法を隠し、質の悪い人肉を供給して病気にさせたり、供給を調整して庶民の生死、知能水準をコントロールしたりしていました。
これって、私たちの世界でも使われている人民支配の手口ですよね。健康体で元気いっぱいの人間は管理しにくいので、あえて病気になるような食事その他の生活習慣をあれこれ推奨しています。支配者層(およびその手先となっている政府やマスコミ、医療業界)は庶民の健康を願っていないのです。
人間は動物を食べなくても健康でいられる、というか、動物を食べないほうが健康でいられます。
この重要な事実に気づいてほしいです。
◇ ◇ ◇
菜食者(かつ陰謀論者)なもので、ついつい上記の点にフォーカスしてしまいましたが、他にも見所はいろいろあり、読み応えがあります。残酷な描写に耐えられそうな方にはお勧めです(映画やアニメは見ていないので何ともいえないです)。
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