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2020年12月18日 (金)

猫とヴィーガン食

Obligate_carnivore 『Obligate Carnivore』(Jed Gillen 著)という本を読みました。

Obligate Carnivoreというのは、偏性(真性)肉食獣という意味。生まれながらにして肉食の体をもった猫に植物性の食物のみを与えているアメリカ在住のヴィーガン男性が書いた本です。

過去記事にも書いたとおり、犬はヴィーガンでも大丈夫そうですが、猫に菜食は可能なのでしょうか?

私は現在猫(その他の動物)を飼っていませんが、この問題について興味があったので、読んでみることにしました。

この本には、ヴィーガンであることの意義、市販のキャットフードの実態(劣悪な品質)、猫に必要な栄養素を補ったヴィーガン・キャットフードが1980年代に初登場し、ヴィーガン・キャットフードでも猫はそれなりに生きられること、自分の飼い猫の体験談などがつらつらと書かれています。

著者は10代で菜食を始め、その当時、残酷な畜産に対する嫌悪感から、「たとえ菜食が健康に悪いものだとしても肉食はしたくない」という思いで始めたそうなので、私のように健康のために菜食を始めた人間とは、感覚的に少々ズレがありました。また、著者の菜食は加熱菜食のようなので、そこでもまた私(ローフード支持者)とのズレがあるように思いました。

市販のキャットフードのお粗末さ(恐ろしさ)については、過去記事(ペットにもローフード)でも少し触れていますが、この本はそれらをもう少し具体的に説明しています。

市販の商品に使われているのは、

  • 人間用には使えない畜産の廃棄物
  • スーパー等の売れ残りの(廃棄)肉
  • 殺処分された犬・猫
  • 人間用には販売できない穀物

であり、それらをさらに細かく見ていくと、

  • 畜産の廃棄物にはホルモン剤、殺虫剤、抗生物質、重金属(病気治療に使った薬や飼料に含まれているもの)が含まれている。耳標(固体識別用タグ)も外さずに処理されている。
  • がんなどに罹患した部位も使用している。
  • スーパー等の売れ残りの場合、ラップやトレイから出すという手間を省いているため、ラップやトレイも一緒に加工されている。
  • 殺処分された犬・猫には、人道的に殺すために(長時間苦しまなくてもいいように)強力な毒が使われており、それらが体内に残留している。ダニ・ノミ取り用の首輪なども外さずに処理されている。
  • つなぎに使われている穀物は、古くなってカビが生えているようなものが使われている。

とか。

こんなものを食べていたら、遅かれ早かれ病気になるということは、素人でも分かります。

そもそも、ローフードの観点からすると、水分の(ほとんど)ないドライフード(カリカリ)は動物の食べ物には適さないのに、その内容が上記のように劣悪だとしたら、もう救いようがありません。

なので、こんなものを与えるぐらいなら、出所のきちんとした材料のヴィーガン・キャットフードのほうがはるかにマシという気持ちも分からなくありません。

著者は自分自身が健康のためにヴィーガンになったわけじゃないので、ペットフードに関しても、肉食のペットと同じ程度の健康状態が確保されれば「ヨシ」と考えていて、肉食のペットより菜食のペットのほうが素晴らしく健康になれると思っているわけではないとのこと。

著者はこの本(第2版)の執筆時点で4匹の猫を飼っており、3匹はヴィーガン。でも残りの1匹は肉食。

  • メス。13歳。生まれてからずっとヴィーガン。優良な健康状態。
  • オス。13歳。ヴィーガン歴5年。口臭はあるが、深刻な病気になったことはない。
  • オス。10歳。生まれてからずっとヴィーガン。非常に体が大きく筋肉質で極めて健康。
  • オス。年齢の記載なし。肉食。

この本でいちばん知りたい部分(なぜ菜食がだめで、肉食になったのか)がいちばん分かりにくく、残念。

肉食のオス猫は、以前菜食をしているうちに尿路結石になり、尿道が完全に閉塞して尿が出なくなってしまったようです。

他の2匹のオスは、菜食でも問題ないのに、1匹だけだめな理由がよく分かりません。著者が唯一書いている原因は、太ったオレンジ色(茶色?)の猫だからというもの。(そう結論づける根拠が書いてない)

猫の菜食で真っ先にやり玉にあがるのがタウリン不足ですが、市販の肉から作ったキャットフードでもタウリン等の栄養素は後から人工的に添加しているそうなので、タウリン等の栄養素に関しては、ヴィーガン・キャットフード(タウリン等の栄養素が添加されているもの)と同じ状況です。栄養素は加熱でやられてしまうので、結局人為的に添加しないとダメなんですね。

なので、著者曰く、猫の菜食でのいちばんの問題は、タウリンではなく、「尿」だそう。菜食だと結石ができやすくなるらしい。猫は水が少ない地域に起源を持つので、体内で尿をリサイクルする仕組みがあり、そのプロセスで結石ができやすくなるようです。

ただ、メスの場合は、尿道が太くて短いので、結石ができても、排泄することができ、大きな問題にはならないとか。

一方、オスは、尿道が細くなっている部分があり、そこに結石が引っかかると、閉塞状態になって尿が出なくなってしまうのだそうです。

でも、オスでも8割ぐらいは菜食でも大丈夫というデータもあるようなので、個体差なのか、あるいは肥満によって尿道が圧迫されているからなのか、この辺が不明瞭。

あと、雌雄問わず、ヴィーガン・キャットフードにアレルギー反応を起こす猫もいて、その原因となっているのは、小麦、とうもろこし、大豆なのだそうです。これらは人間でもアレルギーを引き起こす物質。こういうものを肉食獣の猫に与えるというのは、個人的にかなり違和感があります。

猫の健康のためには、「グレイン・フリー(穀物なし)」の「ウェット・フード(水分を含んでいるもの)やローフード(加熱していないもの)」がいいという意見もあり、この辺りは人間は水分の多いローフードを食べるべきとする考え方に通じるものがあります。

しかし、この本の著者は上述のとおり、残酷な畜産の繁栄に貢献したくないという思いが先走っていて、グレイン・フリーやローフードをはじめ、猫の健康面ではどの選択がベストなのかについては全く言及されていません。

そして、メスは100%ヴィーガン・キャットフードでも肉を使ったキャットフードと同じぐらいの健康状態で過ごせるけど、オスの場合は、100%ヴィーガンではなく、肉食を「減らす」程度がいいのではないかと結論づけていました。

マーカスさんも猫を飼っているようなんですが、「猫にヴィーガン食を強いるなんて異常だ」と何年か前の動画でコメントしていたので、おそらくヴィーガンではないと思われます。

マーカスさんの猫がどういう暮らしをしているのか詳しいことは分かりませんが、どうも広~い敷地内で野生のような生活をしているらしい。彼が住んでいる家ではなく、別の家に猫はいるそうで、いわゆる完全室内飼いのペットとは全く違う暮らし方のようです。

猫にヴィーガン食も不可能ではなさそうですが、個人的には100%とか完全とかにこだわらないほうが良いのではないかと思いました。

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