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2020年11月13日 (金)

菜食とビタミンB12

菜食だとビタミンB12欠乏症になる、だから動物を食べるべき!という主張はよく菜食批判として出てきます。

100%ローヴィーガンだった人たちが、ビタミンB12欠乏症で具合が悪くなり、生の卵黄やヤギのミルク(チーズ)を摂取したら健康状態が改善した、なんて話も読んだことがあります。

菜食では本当にビタミンB12欠乏症になるのでしょうか?

アネット・ラーキンスさんは、過去記事に書いたように、サプリメントは一切取っておらず、ビタミンB12についても、

必要量はほんの少量。摂取量が不足しているというより、体の中が汚れていて、十分に吸収できないことのほうが問題。体が浄化されれば、善玉菌がビタミンB12を合成する。

と言っています。

トーニャさんも「サプリメントは取らない派」で、ビタミンB12のサプリも取っていないらしい。

マーカスさんは、ビタミンB群(ビタミンB12を含む)の補給にニュートリショナル・イーストを勧めていて、カラさんのサラダ動画では、ニュートリショナル・イーストを投入していました。

...で、私はどうしているかと言うと、たまにニュートリショナル・イースト食べています。先日2年ぶりに購入して、今は家にありますが、常備品ではありません。毎日食べているわけでもありません。

何年も前ですが、激しいクレービングで家にあるものを手当たり次第に食べていた時期があり、ニュートリショナル・イーストもものすごい量を食べたら、手足に赤い発疹や強いかゆみが発生しちゃったんですよね...💧

当時いろいろなものを大食いしていたので、本当にニュートリショナル・イーストが原因か断定できませんでしたが、この記事を書こうと思って、トーニャさんのブログを読んでいたら、ビタミンB12サプリ(ニュートリショナル・イーストとは書いてありませんでした)の過剰摂取で、手足の皮膚が赤くなってうずき、かゆみが出たが、サプリをやめたらその症状は消えたという男性の話が書いてありました。(私と同じだ!)

ニュートリショナル・イーストは好き嫌いが分かれる風味ですが、私は結構好きで、トマトソースにかけると、粉チーズのような気がして、ドバドバと使っていました...💧

サプリは必要最小限に留めるべきですね。アリサンのニュートリショナル・イーストのパッケージには、「1日大さじ1杯程度を目安に摂取してください」と書いてあり、マーカスさんのHeal Your Faceには「1日大さじ4杯」とありました。(私の大食い時代は、たぶん連日大さじ10杯以上食べていました。明らかな過剰摂取...💧)

また、ビタミンB12の供給源として、藻類、スピルリナ、クロレラ、生の海藻(のり、わかめ、昆布など)が挙げられている場合もあります。これらについては、否定的な説もありますが、別の面で健康には良いものと私は思っているので(詳細は過去記事を参照してください)、海藻は頻繁に食べています。過去記事に書いたように、スピルリナは一時期はまりましたが、いまは気が向いたときのみで、毎日は取っていません。

菜食、特に生菜食を始めると、最初、ものすごく具合が悪くなるので、だれでも不安になると思います(ビタミンB12欠乏症かな?って)。でも、私の経験では、そうした症状はデトックス症状である場合や糖分や脂肪分、塩分の大量摂取で発生していたようで、断食エネマなどのクレンジングをやっているうちに収まっていきました。

グリーン(青菜)を中心にしたローフードを食べていれば、ビタミンB12にそんなに神経質にならなくても大丈夫じゃないかと思いますが、気になるようでしたら、サプリを少量(適量)取れば、安心感があるかもしれません。

9年前に「菜食とビタミンB12」という同じタイトルの記事を書いたのですが、私の考えが変わってきたため、現在は非公開にしています。でも、久しぶりに読み返したら、本からの引用(翻訳)部分は今でも参考になるような気がしてきたので、以下に貼っておきます。

◇ ◇ ◇

■ 『50代からの超健康革命』(松田麻美子著)

(ビタミンB12が不足するとどうなる ? )

不足すると、致命的となるずっと前に、疲労感、貧血、舌が赤く光るなどのサインが現れてきます。このためアメリカのベジタリアンの医師たちは、B12強化食品のニュートリショナル・イースト(フレーク状の酵母)か、またはサプリメントで補うか、あるいは定期的に血液・尿検査をすることをすすめています。なお、新鮮な生の果物や生野菜、加熱されていない木の実や種子類だけで構成された食事で、塩や香辛料ほかの調味料を一切使用しない人々の場合は、サプリメントは不要です。

■ "The 80/10/10 Diet"(Dr. Doug Graham 著)

(ビタミンB12の供給源)

  1. バクテリアの老廃物 … (動物由来および植物由来の)食物の中にある。
  2. 健康な人間の腸や粘膜で生成される。
  3. 非加熱の藻類、スピルリナ、クロレラ、生の海藻(のり、わかめ、昆布など)

※ 80/10/10では、3番のグループは、「B12の供給源である可能性は極めて低い」とされている。

(その他ビタミンB12についての考察)

1.農産物にビタミンB12が含まれなくなった事情
科学者がビタミンB12を発見したのは、1950年代で、農薬や化学肥料を使用する近代農業が1942年に始まってから既に10年が経過していた頃だった。農薬や化学肥料は、土壌を「殺菌」してしまい、ビタミンを生成するバクテリアが棲息できない環境になってしまった。

植物は自分でビタミンを作るのではなく、土の中から根っこを通してビタミンを吸い上げ、自分の中にビタミンを蓄える。近代農業の到来以前、土壌にバクテリアが多く棲む肥沃な環境で育った植物には、ビタミンB12が含有されていたはずだが、その頃、人間はビタミンB12の存在を知らなかった。

菌類やバクテリアは有機物を食べ、「糞」をする。これが、ビタミンB12などの栄養素を含む複雑な物質を土壌に豊富に与え、こうした土壌で育った植物にはこれらの栄養素が根から取り込まれて蓄えられる。有機農産物には、こうした栄養素が含まれていると考えられる。

2.青果物を洗うという習慣
昔の人は、現代人ほど潔癖に野菜や果物を洗っておらず、野菜に土が残った状態、あるいは、果物に土ぼこりが付いた状態で食べていた。そうした土やほこりには、バクテリアが棲んでおり、それを体内に取り込んでいたが、脅迫的なまでに衛生観念が発達した現代では、そうしたB12の供給ルートも断たれてしまった。

3.摂取したB12を吸収できない訳
肉食の場合、B12を生成するバクテリアが家畜の消化管内にいて、筋肉(人間が食べる部分)に分配されるため、B12を摂取することになる。また、前述のとおり、有機農産物を食べ、かつ潔癖に洗うということをしないヴィーガンもB12を摂取しているはずである。

しかし、「内因子」と呼ばれる化学物質が不足していると、ビタミンB12を摂取しても吸収できない。これがB12欠乏の原因として最も一般的なものである。菜食、肉食のいずれでも、B12欠乏のリスクがある。

高脂肪の食事の場合、次の2つの理由により、このB12欠乏のリスクが大幅に上昇する。第1に、腸内にあるB12生成バクテリアのコロニーは、炭水化物を燃料としている。食事の中で脂肪の量が多くなると、炭水化物の量が少なくなり、微生物が利用できる燃料の量も少なくなる。燃料が少ないと、コロニーの規模が小さくなり、B12の生産量が全体的に減少する。第2に、腸内でB12を取り込むところが、脂肪でふさがれて(詰まって)しまい、さらにB12の吸収が落ちることになる。

4.B12の標準値が人為的に高く設定されていること
多くの人が日常的に、ビタミンB12の合成物を含む栄養強化食品(シリアル、パン、パスタ、クッキー、ケーキなど)を食べている。この結果、基準が高いところに設定されており、こうした強化食品を食べていない人は、B12の値が「低い」と判定されることになる。

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