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2018年6月 1日 (金)

卵とコリンと癌

先日、マーカスさんの動画のコメント欄で、マーカスさんに対して、植物ベースのローフード(生菜食)に加え、生卵と生魚も食べたほうが健康に良いと主張している人がいました。

このコメントに対し、マーカスさんは、

卵や魚は、磁石のように癌を引き寄せる

と回答し、次の動画を根拠として挙げていました。

YouTube: Eggs, Choline, and Cancer

この動画(NutritionFacts.org)によると、

  • 米国には前立腺癌の男性が200万人いる。
  • 限局性(最初に発生した原発部位からまったく広がっておらず、限られた狭い範囲にのみ発生している状態)であれば、ほとんどの場合、5年後も生存していることが保証される。
  • しかし、ひとたび浸潤(がんがまわりに広がっていくこと)が始まってしまうと、5年後生存率は3人に1人の割合となる。
  • ハーバード大学では、初期の前立腺癌の男性を1000人以上追跡調査し、骨への浸潤などと関係のある食事内容を突き止めようとした。
  • 卵を1週間当たり0.4個食べる男性と比べると、卵を1週間当たり5.5個食べる男性は、前立腺癌の進行リスクが2倍になることが分かった。
  • さらに、5.5個の高リスクグループの中で、鶏肉を食べる人たちは、進行リスクが最大4倍となった。
  • この原因は、加熱調理された肉の発がん性物質(鶏肉や七面鳥肉では、他の肉より複素環アミンが多く形成される)であろうと考えられている。
  • 鶏肉を食べない5.5個の高リスクグループの進行リスクが2倍になるのはなぜなのか?
  • この原因はコリンにあると考えられている。
  • 卵の摂取は血中コリン濃度の決定要因となり、血中コリン濃度が高いと、前立腺癌になりやすい。
  • 卵のコリンは、前立腺癌になるリスク、前立腺癌が浸潤するリスク、前立腺癌により死亡するリスクを高める可能性がある。
  • 5.5個の高リスクグループは癌の致死リスクが70%上昇する。
  • また、別の研究では、1週間に2個半以上卵を食べる男性は癌の致死リスクが81%上昇することが確認されている。
  • 食事由来のコリンはなぜ癌の致死リスクを高めるのか?
  • 食事由来のコリンは腸内でトリメチルアミンに変換される。
  • ハーバード大学の研究者たちは、食事由来のコリンから変換されたトリメチルアミン-N-オキシド(TMAO)が炎症を増大させ、前立腺癌の進行を促進させて、致死性の疾病としてしまうのではないかと推測している。
  • 固ゆで卵を与えたことで、有害なTMAOが急上昇したという研究結果もある。
  • 血中TMAO値と脳卒中、心臓発作、致死との関連は、コレステロール値の低い低リスクグループでも確認された。

卵業界は卵のコリン含有量をセールスポイントとしてアピールしているようですが、上記の研究結果が正しいとすると、致命的なとんでもないマイナスポイントを大宣伝してしまっていることになります。

コリンは植物にも含まれていますが、マーカスさんによると、問題となるのは、動物由来のコリンで、植物由来のものは大丈夫らしいです。

上掲の動画の声は、医学博士のマイケル・グレガー(Michael Greger)さんです。

グレガーさんのベストセラーとなった著書、"How Not to Die"は、日本語訳も出版されています。

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