デッドリフトの世界記録保持者も1日1食のヴィーガン
今日は、断続的断食(1日1食)かつカロリー制限を実践して、心身の健康を追求しているヴィーガン男性の動画を紹介します。インタビュアーはこのブログではお馴染みのマーカスさんです。
YouTube: Vegan Strongman Eats ONE Meal a Day!
アメンラーさん(Dr. Nun. S. Amen-Ra)は、デッドリフトの世界記録保持者。食事は1日1食で、肉その他の動物性食品、砂糖も口にしないヴィーガンです。
そして、1日の摂取カロリーが1000~1500カロリーとのことで、成人男性としてはかなりの少食ですが、筋骨たくましい肉体を維持されています。
これほど少食でこれほどの肉体を作れるというのは、一般的な感覚では信じがたいことだと思われますが、マーカスさんの解説によりますと、現代の車や飛行機が30年前のものの倍の馬力があるにもかかわらず、燃料は30年前のものの半分しか必要ないという状態と同じで、効率性の問題であり、燃料が1滴残らず完全に活用されると、少食でも十分強靱な肉体を構築・維持できるらしい。
もちろん、ステロイドも不使用。断続的断食と質の高い睡眠により、体が天然の成長ホルモンを大量に生成しているので、ステロイドなど使う必要がないのだとか。
アメンラーさんにとって、筋肉を大きくすることは重要なことではなく、自身のライフスタイルの副産物にすぎないそう。彼の真の関心事は、寿命を最大限に延ばし、生活(あるいは人生/生命)の質を高めること。
マーカスさんの話では、本来、筋肉、ホルモンおよび健康は年を取るにつれて衰えていくものではないらしい。
荷重負荷抵抗運動(weight bearing resistance exercises)は、ヒト成長ホルモンの増大、若さの保持を促進するので、若い男性だけでなく、閉経後の女性にとっても重要だそうです。1日30分のウォーキングやジョギングで運動した気になっていてはダメで、自分の体重または何らかのウェイトを使った運動が必要とのこと。
アメンラーさんの食事法・健康法を以下にまとめてみます。
- 1日のうち23時間は何も食べない
- 非常に遅い時間に食事をとる(※ マーカスさんは、普通の人(アメンラー式の厳しいルールに従っていない人)にはお勧めできないと言っています)
- エアロビック(有酸素)運動を1日1~2回
- 夜に抵抗(ウェイト)運動(各セットの合間にヨガのポーズを取る)
- ジム運動は一般的なもの
- 瞑想を行う(1日中)
- ステビアで甘みをつけた(砂糖なしの)ハーブティを飲む(1日中)
具体的な食事内容はどんなものかというと、夜遅くに1時間弱かけて、次のような順番で食事するそうです。
- 植物ベースのビタミン、ミネラル、アミノ酸などのパウダー類(これらだけで1日に必要な栄養素がすべて補給されるそう)
- メインの食事(ナッツ、豆、米飯、大豆などをよく食べるそう)
- シンプルなデザート(ブラックチョコレートをかけたナッツ、または砕いたピーナッツと果物の保存食で作った「ピーナッツバターサンドイッチ」など)
2番目のメインの食事の目的は、満腹感と食べる楽しみを味わうことだそうで、栄養はすべて1番目のパウダー類でまかなっているとのこと。
ひとことでいうと、アメンラーさんの日常というのは、僧侶の生活ですね。
話し方も非常に穏やかな感じで、一般人とはまったく違った雰囲気。
彼の食事法・健康法に真剣に取り組みたいという人たちをトレーニングしたり、自らの著書の代金を「寄付」という形で受け取ったりして生計を立てている模様。
彼の著書は学術用語満載で、インスタントに効果を出したいという人にはまったく向かないので、本気の人以外はアメンラーさんにメールしたりコンタクトしたりして彼の穏やかな生活をかき乱さないでほしい、とマーカスさんが注意していました。
(確かに動画内で彼が使っている単語や言い回しは非常に難解なので、なんとなく想像できます。たぶん、私が読んでもまったく理解できないでしょう…)
動画内でアメンラーさんの年齢は明らかにされていませんが、彼のチャンネルをチェックしていたら、コメント欄で2016年の9月に42歳になったという本人の書き込みがありました。なので、上掲の動画収録時は42歳になる直前ぐらいだと思われます。やはり、少食の人は若く見えますね。
ちなみに、過去記事で紹介したロー・ヴィーガン・ボディビルダーのダニーさんも1日1食で少食だそうです。
アメンラーさんの食事法は、マーカスさんの勧める断続的断食とはちょっと違うアプローチ(夜遅くに食事をするとか)ですし、そもそも、ローフーディストではないので、マーカスさんとしては、アメンラーさんのやり方を模倣せよ、と言っているわけではなく、自分自身を徹底的に律して肉体と精神を鍛え抜いた彼から何らかのインスピレーションを受け取ってほしいと思ってこのインタビュー動画を公開したようです。
確かに、私もアメンラーさんの食事や生活スタイルを完全に模倣するのは無理です。加熱ヴィーガン食で断食・少食というのは、ロー・ヴィーガン食で断食・少食より私にとっては難易度が高いんです。加熱食を食べ出すと、大量に頻繁に食べたくなってくるので…
なので、私は、先週の記事(断続的断食)に書いたとおり、当面、午前中は糖分なしの水分のみで、午後にローフードというスタイルで行くと思います。
吸収しやすいものから取っていくという食事の順番は大いに同意できるので、これを私のスタイルに応用して、最初にグリーンジュース、それから果物、そして最後にサラダという順番をしばらく徹底してみようかと思っています。
また、動画内で彼がデモンストレーションしていた、「アルーハー」(エジプトの言葉らしい)とかいう立ったままでの10~15分の短い瞑想(8:08)にも興味をもちました。(電車で立っているときにでもやってみようかな。立ったまま寝ていると思われるだろうか…)
アメンラーさんからのアドバイス。
[32:38]
Subjecting yourself to self-imposed discipline is the surest way to increase the quality of your existence.
(自らが課した規律に従うことが、自身の存在の質を高める最も確実な方法である)
信念に従って一本筋を通している人は言うことが違いますね
◇ ◇ ◇
次の動画は、アメンラーさんが2013年に世界記録を出したときの様子を収めたもの。672ポンド(305 kg)、体重82.5 kg。
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