健全な自己評価とは?
今日は久しぶりにエックハルト(Eckhalt Tolle)さん関連の記事で、自己評価(自尊心)についてです。
YouTube: Eckhart, Could you elaborate on ego versus healthy self-esteem?
この動画は質疑応答コーナーのようで、ここでの質問は、
エゴ(自我)と健全な自己評価(自尊心)について、詳しく説明してもらえませんか。
です。
エックハルトさんは、いわゆる健全な自己評価は素晴らしいものだけれど、人間の進化とともに、最終的には不十分なものになると言っています。自分自身を高く評価すること (self-esteem) にとって代わるべきは、"no-self-esteem"なのだそうです。
これはエックハルトさんの造語でしょうか。ここで言っている"self"(自分)というのは、おそらく、スピリチュアル的な意味の本来の自分ではなく、エゴの作ったストーリーに基づく作り物の自分ってことでしょうね。
作り物の自分(self)を高く評価する(esteem)という段階を脱却して、作り物の自分がない状態(no-self)に進まないといけないわけですが、そのためには、まず、自己評価が何であるかを理解しないといけません。
エックハルトさんによると、自己評価とは、
- 自分という人間
- 自分が成し遂げたこと
- 自分の知識
- 自分の所有物
- 自分の能力
について合理的に満足していること、これらを他人と比較して自分に都合の良い結果を導き出すこと、だそうです。たとえば、
- 自分ができることをみんなはできない
- 自分はみんなが知らないことを知っている
- みんなより広い家に住んでいる
- みんなより高い学歴をもっている
等々。
一方、自己評価の低い人は、
- 自分には取り柄がない
- みんな自分より優れている
- 自分はつまらない人間だ
- 人生は不公平だ
と考えるらしい。
でも、優劣なんてのは、物質界の概念で、エックハルトさんは、それらは幻想だと言っています。
自己評価の低い人より自己評価の高い人の方が楽しく暮らせるけれど、評価の根拠が幻想なので、遅かれ早かれ、その根拠は崩壊するそうです。
例えば、自分の所有物に満足していた人の場合なら、ある日を境に、虚無感に襲われる。自分の能力を自分と評価していた人なら、その能力を失ったときに茫然自失となるとか。
物質界の物や概念は、当てにならない、つかの間の夢みたいなもの。こういうものにしがみついていては、結局、苦悩することになる。
ただ、往々にして、苦悩は転機になるそうです。苦しみぬいた末、今までしがみついていたものが幻想であることに気がつく人が多いみたいです。
なので、物質的な薄っぺらい幸福に浸っていると、悟りを開くことが難しいようで、上掲の動画の最後のところ[10:27~]で、面白い例を挙げていました。
ウォール街の銀行員が昇進した、ボーナスが出た、と有頂天になっている。自分の能力、境遇に慢心し、自己評価も相当高い様子。エックハルトさん曰く
ウォール街から直接悟りを開く。
これは、おそらくないでしょう。
ウォール街から刑務所に行って、そこから悟りを開く。
こちらの方が、はるかに容易です。
とのこと。
自己評価は結局エゴということなので、どうやら「健全な自己評価」というのものは存在しないようですね。
私もまだ、他人と自分を比べて、優越感や劣等感を感じたりすることがよくあり、「あ~あ」って感じですが、このブログを始める前よりちょっと進歩したなと思えるのは、「人より上だって思いたいわけね」とか、「人を羨ましがっても何にもならないよ」とか、客観的(自虐的?)に、自分にツッコミを入れるようになったことでしょうか。
そして、ときどき恥ずかしげもなく自分の自慢話を滔々と語る人に出くわすことがありますが、そういう人に対しても、「エゴがコントロールできていないんだなあ」と思うと、イライラしたり、ムッとしたりしながらも、ちょっと気の毒に思えてきて、昔ほど腹が立たなくなってきました。
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