食育という名の横暴
みなさんは学校での給食、好きでしたか。私は給食が大の苦手で、お昼が近づいてくると気が重くて、毎日早退してしまいたいほど嫌でした。当時は、菜食主義に目覚める遙か前のことで、アレルギーというわけでもなく、ただ単に嗜好の問題だったんですが、給食の見た目、におい、味など、すべてに拒絶反応を示していました。
私が小学生だった頃(1970年代)は、親や教師が戦中派で、食糧難を経験してきた人達でしたから、「食べ物があるだけ有り難いと思え」的な風潮が強く残っていました。出されたものは文句を言わずに何でも有り難くすべて食べろ、という感じです。なので、好き嫌いがある子どもは「わがまま」とされ、目を付けられて徹底的にいたぶられました。食べ終わるまで昼休みは来ないし、給食以外の時間にも、クラスメートの前で何かと「偏食する駄目な生徒」として扱われ、毎日が苦痛でした…。
その後、時代とともに、給食メニューがずいぶんと様変わりし、1980年代に教育実習先で食べた給食などは、私が小学生時代に食べていたものとは、まったくの別物で驚きました。思わずお代わりしそうになったほど、美味しいと感じました(今、菜食の観点から見ると、問題の多いメニューでしたが…)。また、アレルギーの子どもたちが増え始めたことで、学校側も柔軟な対応を見せるようになり、給食を強制的に食べさせるようなことはなくなったのかと思っていました。
ところが、先日、広瀬隆さんが東電幹部や文部科学大臣、福島県放射線健康リスクアドバイザー等を刑事告発したという記者会見の動画を見ていたら、昔のおぞましい記憶がよみがえってきました。
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福島県では、この間聞いたんですが、お父さんやお母さんで意識の高い方が、子どもに「シイタケやタケノコが給食に出たら食べちゃいけないよ」と言って、それで、子どもが学校に行って、それを取り分けると、先生が来て「食え!」と言って食わせるんだそうです。ぞっとするんじゃないですか、みなさん…。
ほんと、ぞっとしました。放射能が大問題になっているこの時期に、よくもそんな無神経なことが言えるものだと呆れました。
どうして、そんなにまでして食べさせないといけないんでしょう。好き嫌いを言っていては体に悪いから? 食べ物を粗末にしてはいけないから? 食材を作ってくれた生産者や料理してくれた調理担当者に失礼だから?
そうじゃないでしょう。学校や自治体・国の方針に逆らう生徒を問題視しているにすぎません。神経質だとか、わがままだとか、否定的な言葉を浴びせて恫喝し、隷属させようとしているんです。その子のために言っている訳ではありません。社会の都合を押し付けているだけです。
国民が食べたいものだけ食べていたら、衰退する産業が出てくるので、国の経済を維持するため、国を支えてくれる従順な奴隷を量産しようとしているとしか思えません。自分の考えを声高に叫んだり、国や地域のシステムの問題点を指摘するような輩は、厄介者であり、目ざわり。だから、そうならないよう、上から言われたことは何も考えずに実行する癖を小さい頃から植え付けようとしているのでしょう。
個性の時代と言いながら、内実は戦時中の全体主義からまったく進歩していないこの国で、政府や自治体が音頭をとったら、本当に子どもの健康を考えた「食育」なんて絶対無理だと思います。
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コメント
こんばんは
私もNorahさんと同世代ですので同じような体験をしてきました。
肉が嫌いで食べられない私はアルミ(?)の容器に
入ったシチューの豚肉を絶望的な気持ちで見ていました。
そして、口をつけることなく、お代わりするふりをして
大鍋の中に戻したのです。
(その頃のクラスメイトのみんなゴメン。でも一口も食べてないから許してね)
学校という大得意様に食材を納品している業者にとって
それを失うことは死活問題なのでしょうね・・
戦後、アメリカが自国で余ってしまった小麦を日本に持ち込み
パン食を根付かせ日本人の食生活が変わってしまったという話もあります。
ちゃんとした情報を発信してもらい、その上でどうするかは各自で選択する、
そんな当たり前の事が出来ない世の中って・・
投稿: brown | 2011年7月25日 (月) 20時19分
★ brownさん
コメントありがとうございます!
> お代わりするふりをして大鍋の中に戻したのです。
おお! これは画期的な手法です(笑)。私もあの手この手で食べないで済むよう頑張りましたが、「戻す」ことは思い付かなかったなあ。
アメリカが余剰物資の小麦や脱脂粉乳を日本に持ち込んだという話、私は大人になってから知りました。子どもの頃、「戦後、食糧がなくて困っている日本に、親切なアメリカが食糧を分けてくれた」なんて言っている大人がいましたが、占領(洗脳)政策のたまものですよね。アメリカはそんなお人好しじゃない。自国の国益最優先。米食文化の敗戦国に自国の余剰物資を押し付けて、悪しき食習慣を根付かせた元凶なんですから。
ほんと、各自で選択できる世の中になってほしいです。ひとりひとりが世間の矛盾に気がつかないと、なかなか変わらないと思いますが…。
投稿: Norah | 2011年7月26日 (火) 08時29分
はじめまして。
広瀬さんのこのセリフ、初めて知りましたが、ずいぶんと横暴な先生がいるようですね…。
親と先生、こどもはどちらの言うことを聞けばいいのか戸惑うと思います。
その後、もしものことになっても、その先生は責任をとってはくれないでしょうし…。
日本の体制って「個」を封じ込めていく圧力があるので、本当に生きにくい世の中だと思います。
その中で、自分から情報をとってきて、こうしてネットなどで広めていくのはとても重要なことになりつつありますね。
教えてくださって、ありがとうございます。
投稿: ゆき | 2011年7月27日 (水) 14時16分
★ゆきさん
はじめまして。コメントありがとうございます!
もうこういうタイプの先生は絶滅したかと思っていましたが、まだいたみたいで、とても残念に思います。日本の「個」を封じ込める圧力はすごいものがありますよね。「空気を読め」とか「和を乱すな」とか間接的にもプレッシャーかけてきますし…。
ひとりで声を上げるのは難しいけれど、ネットなどを活用して、同じような考え方の仲間同士でつながっていけるといいなと思います。
ホームページ拝見しました。ゆきさんも菜食なんですね(嬉)。今後ともどうぞよろしくお願いします。
投稿: Norah | 2011年7月27日 (水) 19時40分
はじめまして、hhiedaといいます。
現在スペイン・マドリードに住んでいます☆
スペインで有名な闘牛がありますが、あれを見てからはヴィーガンになることを決意しました。
自分のブログも菜食主義ブログにしたので、もしよければよろしくお願いします!m(__)m
いやあ・・・それにしても、まだそんなことを言う学校・教師がいるんですね・・・
去年まで音大で勉強していたのですが、そこでの全体主義的なものは大変に酷いものでした。
全体主義は現代でも全変わってないのかも・・・
やはり小食という生き方は一番正しいと思うので、そのように「食べろ」と押し付けるのは虐待だと思います。
肉食・菜食を考えなくとも、人間には好き嫌いだってあるのだし、食べる量も全然違います。それは人によって全然違うし、どうすることもできないですよね。
Norahさんも書かれていますが、現代の給食も根本的に問題がありまくりですね。。。
自分は中学まで毎日牛乳を飲んで育ったので、牛乳はカルシウムが豊富なのだと思い込まされていました。
今になて調べてみると、全ての動物性食品は百害あって一利無し、と。騙されていたのだと知った時のショックはとても大きかったです。一日30品目という指針も、許し難いものです。
考えてみれば、今まで喘息に苦しめられていたのも牛乳をはじめ動物性食品のせいなのでは、と思うようになりました。ヴィーガンになってからは薬も全く摂取していませんし、それなのに何も症状が出ないことも解りました。全ては肉食・食べ過ぎによる害・・・
そして朝食有害説にも賛同しております。三食では食べ過ぎで、一日中食べ物を消化しているという生活はあまりにも体に悪いことが解りました。
長々と失礼いたしました!ブックマークしましたので、これからもNorahさんのブログも読ませていただきます☆
投稿: hhieda | 2011年7月27日 (水) 21時14分
★ hhiedaさん
はじめまして。コメントありがとうございます!
闘牛、強烈ですよね。生でご覧になったんですか? 私はテレビでしか見たことありませんが、子どもの頃、あれは赤い布で牛とたわむれるゲームだと思っていました(最後まで見たことなかったので)。とんだ勘違いでした。無知というのは恐ろしい…。
屠殺場見学ツアーなんか開催したら、肉食やめる人が続出すると思うんですけど、そういうダーティな部分は闇に葬られ、ぜったい表には出てこないので、気がつかない人は一生気がつかないままなんでしょうねえ(私も気がつくまで相当時間がかかりました)。
お若いのに、菜食に加え、少食なども実践しておられるようで、すごいなあと思います(それも留学先で!)。私がhhiedaさんの年の頃は、何も考えずに動物食べて、暴飲暴食して、しょっちゅう体調崩して、イライラして、なんてことやっていましたから。
あとでブログのほうにもお邪魔します。今後ともどうぞよろしくお願いします。
投稿: Norah | 2011年7月28日 (木) 08時56分