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2011年7月14日 (木)

人間の住むところ

先週は七夕でしたね(旧暦では来月ですが…)。私は生まれてこのかた天の川というものを生で見たことがないのですが、天の川を見るには、月明かりのない晴れた夜に、都市から離れた標高の高いところに行かないと駄目みたいです。

こちらはCNNが公開している動画です。ノルウェー人の写真家がスペイン領カナリア諸島のテネリフェ島にあるテイデ山(スペイン領内最高峰: 3718 m)で、天の川を撮影したものですが、思わず息をのむほど美しい映像です。

都市部では絶対に拝めない贅沢な光景といえるでしょう。

アミ 小さな宇宙人』(エンリケ・バリオス著)のアミによると、先進文明世界には「都市」というものが存在しないそうです。

「…… 都市というのは、先史時代的な生活共同形態だからね」

現在の地球は「先史時代」なんですね(苦笑)。

私は都市部に住んでいるんですが、以前、我が家に遊びに来た友人に、

       「ここは人間の住むところじゃない」

と言われ、熱くなって反論したこともありました。でも、今となっては、友人の感覚が正しかったと思っています。

上記のアミは、地球人の少年ペドロに対し、都市が与える悪影響について、次のように説明しています。

「都市形態っていうのはね、たくさんの欠点があるんだよ。そのひとつとして一カ所にあまりにも多くの人々が集中するために生じる精神の異常によって、人々にも、惑星(ほし)にも悪影響をあたえることがある」
「惑星(ほし)にも?」
「惑星(ほし)だってそれぞれ進化の異なったひとつの生命体なんだよ。ゆいいつ、生命のあるものから生命が生まれるんだ。みな、依存していておたがいに関係しあっているんだよ。地球の起こすことは、そこに住んでいる人々に影響をあたえるし、反対に人々のすることが地球に影響をあたえるんだ」
「でも、どうしてたくさんのひとが一カ所に集中することが、精神の異常を生み出すの?」
「なぜなら人々は幸せじゃないからね。それを地球が知覚するんだよ。人々には、自然や空間が必要なんだ。花や木や庭が……」

ペドロは先史時代人らしく、未来の社会は、映画に出てくるような、人工衛星都市とか巨大なビルの大都会、地下都市などをイメージしていたため、アミから、未来は「農園」のような生活形態になると聞いて驚いていました。

さしずめ、私たちは、未開の生活形態で暮らす、野蛮な精神異常者集団ってところでしょうか。そう考えると、昨今の社会のでたらめぶりにも納得がいくような気がします。

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コメント

Norahさん、こんにちは。
『アミ小さな宇宙人』読んでみたいです。
「農園」のような生活形態になっている未来・・
理想郷ですね~

人類はどこで進むべき道を間違えたのでしょうか。
軌道修正出来るのでしょうか・・

管首相がここにきて「脱原発」とか言っていますが
もし解散総選挙になって民主党が負けたら
「脱原発」じゃない政党(自民党)が政権を握るって事になりますよね。
それ(原発推進)が国民の真意だ、という事になってしまう。
短絡思考でしょうか?
すみません、ブログのテーマとずれているのですが
Norahさんのご意見をお聞きしたいです。

投稿: brown | 2011年7月14日 (木) 18時48分

★ brownさん
コメントありがとうございます!

アミシリーズお奨めです。三作目の『3度めの約束』には自然豊かなところで自給自足というエピソードも出てきます(物語の本筋とは違うところですが…)。このブログでは今のところ一作目の紹介しかしていませんが、個人的には、三作目が一番好きです。

「解散総選挙」の問題、難しいですよね。震災後、無能無策ぶりを露呈した民主党は人気を落として、自民党が勢いづいてしまうかもしれません。自民党にも、5/7の記事に書いた河野太郎さんのように、脱原発派も少数ながらいますが、大勢は推進派なので、自民が与党に返り咲いたらどうなるんでしょうかねえ…(不安)。

しかし、民主党が脱原発路線かというと、それも怪しい気がします。推進派の官僚のいいなりになって政策を進めている感じですから。

政治家を見ていると、どうしてこんな人たちが国民の代表なのかと唖然とするのですが、よく考えたら、そういう人たちに投票している有権者、また、政治に関心がなく、選挙に行かず、投票しないことで、そういう人たちの当選に貢献している有権者がいるわけで、選挙結果は、ある意味「国民の真意」と言えるかもしれません。原発の危険性より、目先の利益を重視している国民が大勢いるってことでしょう。ひとりひとりが変わらないと、この国はいつまでたっても変わらないのではないでしょうか。

投稿: Norah | 2011年7月15日 (金) 08時54分

お返事いただき、ありがとうございます。

足の引っ張り合いばかりしている政治家をみるにつけ
なんてレベルが低いんだろう・・と思ってしまいます。
最初は志を高く持っていても、変わってきてしまうのでしょうね。

確かに、地震直後は「原発反対!」と言っていた人でも
今は自分の生活の安定の為なら、原発必要かな~、なんて言っています。

今出来る事と言えば、「節電」を一過性で終わらせない事くらいですね・・
これからもみんなで協力したら原発に頼らなくて済みそうです、なんて
だれか太鼓判押してください(笑)

アミシリーズ、おもしろそうですね。
私は「SF超大作」的な物はあまり読まないのですが
これは中学生の頃好きだった星新一のような?感じがして読みやすそうですね。

投稿: brown | 2011年7月15日 (金) 20時48分

★ brownさん

「一過性で終わらせない」というのは、全くその通りですよね。それが大事なのは分かっていても、みんな次第に流れに逆らうことに疲れて、ついつい大勢に流されてしまう…。なので、反原発の活動を長年続けてこられた方々は、本当にすごいと思います。「原発に頼らなくて済む」ことは、反原発派の小出裕章さんや広瀬隆さんが、太鼓判を押してくれています。ご安心ください(笑)。

節電は大事だと思うんですが、電力会社が原発の必要性を強調するために電力不足デマを流していることが気になります。電気が足りないからとか、停電になると困るからとかじゃなく、「無駄は省く」という精神で節電に取り組む風潮が広まるといいなと思います。

星新一、私も中学生の頃読んでいました。懐かしいです。…と言っても、具体的な内容はすっかり忘れてしまいました。短いのにひねりがあって面白かったことは覚えているんですが…。アミは長いので、ちょっと傾向が違うような気もしますが、読みやすいという点では似ているかもしれません。

投稿: Norah | 2011年7月16日 (土) 07時51分

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