ハンカチとティッシュ
もう10年以上前になりますが、知人のご両親がリタイヤ生活を目前にして色々倹約を始め、2枚重ねのティッシュペーパーを1枚ずつ使えるよう、1枚1枚はがしてストックしているという話を聞きました。
その当時は、倹約よりなにより、その手間を惜しまない姿勢にいたく感心したのですが、今となっては、少し違った感想をもっています。倹約するというのであれば、ティッシュを使わなければいいのにと思うんです。
私はここ数年、めったなことではティッシュを使わなくなりました。以前は、鼻をかんだり、口のまわりをふいたり、何かとティッシュのお世話になっていたのですが、あるとき、いただきもののハンカチの山が目にとまり、これらを有効活用できないものかと考えるようになりました。そして、ほとんどのティッシュの役割は、ハンカチで代用できることに気がつきました。
「鼻呼吸」の記事に書いたとおり、昔は風邪を引いたりすると、おそろしく大量の鼻汁が出て、それもカラフルなネバネバしたタイプだったので、見るもおぞましいという感じだったんですが、菜食を始めて以来、鼻が出ても、透明なサラサラした鼻水なんで、ハンカチでかんで、それを洗濯して使うということに全く抵抗を感じなくなりました。外出時は、3枚ぐらいハンカチを持ち歩いて、用途に応じて使い分けています。
以前、フランス語の辞書を見ていたら、mouchoir(ハンカチ)という名詞の動詞形moucherの意味として、「鼻をかむ」が一番最初に書かれているのを発見し、とても驚きました。フランスでのハンカチの用途の筆頭は鼻をかむことだったんでしょうか。フランス人は今でも鼻をかむのにハンカチを使っているのでしょうか。ハンカチのヘビーユーザーになった今、なんだか非常に気になります(笑)。(この辺のことをご存知の方がいらっしゃいましたら、是非ご教示ください。)
また、最近、少食について気合いを入れようと思い、江戸時代の観相家で、少食の重要性を説く、水野南北の『南北相法 修身録』を読んでいるんですが、その中に、紙を無駄遣いする人は運が開けないという趣旨の記述がありました。「紙」は「神」につながる「正しく清いもの」であるとして、大切に使うよう諭していました。(粗紙を鼻紙に使ったり便所で使うことは問題ない、とも書いてありましたが、今のティッシュはいたって高品質で、とても粗紙といえるようなものではないと思います。)
現代では、家庭でも学校でも、鼻をかむのはティッシュ、ハンカチは手をふいたり汗をぬぐったりするものと当たり前のように教えていると思います。しかし、ウィキペディアによると、日本で初めてティッシュが発売されたのは、1953年。安価で出回るようになったのは、その10年後。それ以前は、ティッシュを惜しげもなく使い捨てにするなんて、考えられなかったはずです。
私は昔、いかに安いティッシュペーパーを手に入れるかに血道を上げ、ドラッグストアをはしごしては底値をチェックしたりしていたのですが、よく考えたら、安いものを買って大量に消費するより、できるだけ使わない方法を考えたほうが色々な意味で倹約になりますよね。ゴミも減りますし。
「エコ」というのは意外と身近なところにあるものだと遅まきながら気がつきました。何も特別な家電や車を購入することだけがエコではないんですよね。
※ この本は「南北相法」(観相の方法)と「南北相法極意 修身録」から構成されており、少食について書かれているのは、修身録の方です。ページ数で見ると、南北相法が80%で、修身録の方は20%。観相に興味がない方には、ちょっとお高い買い物になってしまうかもしれません。ただ、現代語に訳されているので、分かりやすいというメリットはありますが…。
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